ミシェル・ゴンドリー「グッバイ・サマー」
まだ夏にさよならするには早い時期ですが、ミシェル・ゴンドリー監督の作品
「グッバイ・サマー」です。
なんの前知識もないまま、アメリカ映画だと思って見始めたので、いきなりフランス語で始まったので面喰いました(笑)。フットボールしているシーンとかはアメリカだったらアメフトとかベースボールになるのかな。
この作品のあらすじを端的に説明すると、14歳の少年二人の、ひと夏のロードムービーです。
ロードムービーというとスタンドバイミーを連想しますが、こちらはフランス映画。
フランス映画独特の?、何かの比喩的、哲学的なセリフを14歳の少年が言ってみたり、でもその背伸びした感じが妙にリアルだったり。ラストも爽快な落ちや感動があるという訳でもなく、あっさりと終わります。
でもその壮大さがなくどこか物足りなさを覚えるような感覚がまさに現実の「青春」
というものとリンクするような気もしました。憧れのヒロインと、お互いに気になりつつも何も起こらない所とか。
ここまでの感想を見ると本当に淡々とした物語に見えますが、この作品の会話の間や
空気感、演出でそういう側面がより強くなっている側面もあり、監督の中にある、コメディ魂?が垣間見えるシーンでは何度かクスッとしてしまいました。
そのような笑いも、14歳なら誰もが持つ悩み、経験を鑑賞者である大人が皆、共通体験として持っているからこそであるなと思いました。
なので、前述もしたラストのひと夏の冒険を経て親友になったテオとのあっさりとした別れ、気になるあの娘と何も起こらないというのは、自分の中学生時代と結びつけると妙に納得出来ました。
別に車を自作して仲間と冒険にでた…なんて経験はありませんが、一時期は凄く仲良くしていた友達と、喧嘩した訳でも、嫌いになった訳でも無いのに全く連絡を取らなくなったり、夜も眠れなくなるくらい気になっていたクラスメイトに、声も掛けないまま時間が過ぎて、気づけば別の子が気になっていたり。
そんなリアルがこの作品にはあり、ファンタジーを求めると肩透かしを喰らいますが、大人にこそ見て欲しい作品であると思いました。
と、映画作品の感想を初めて?書きました。普段あまり映画を見ない方なので(周りの友人に、年間100本以上見るような映画好きが何人かいるので、そことつい、比べてしまいます)
感想+自分語りになってしまいましたが、まあ、こんな感じでもいいかなと納得させることにします(笑)。