かるちゃあ・よもやま日記

音楽・漫画・アニメ・映画・ART・ゲーム・その他についてつれづれ~に語ります。現在20代前半。

町田洋さんの新作「砂の都」の一話目を読んだ。

 町田洋さんの新作の連載が始まった。もう永遠に出ることはないのかと思っていた時期もあった。一番新作が楽しみな作家さんの1人だった。

 

ただ今一話がモーニングの公式のウェブで読めるらしいので、是非…。

 

 コミックスになってから感想を書こうと思ったけど、我慢できなかったので書く。

 

まず一言「最高かよ」

 

 本当に期待を裏切らない内容。「惑星9の休日」に収録されている映画の話で、妙に細かくテープカットの描写を描いていたように、今回もカメラ修理のおじいさんのセリフも妙に引っかかる。「回螺器」(かいらき)なんて道具初めて知ったよ。道具のチョイスがいちいちセンスを感じる。(まあ、油絵を描かない人が「テレピン」とか「アブソルバン」とか聞いて新鮮に感じるのと似た現象だろうか)

 

 そして「惑星9の休日」の横断歩道のシーンに匹敵するシーンを、一話目でいきなりぶっこんで来たのだ。町田洋恐るべし…。

 結婚式の騒ぎに交ざらない主人公。「あの時 後悔したな」「でも今も飛び込みはしない」という心のセリフ。めちゃくちゃ共感してしまう。もうここで感情のメーターが振り切れそうになるのだがそこでは終わらせない。

 

 ヒロインが唐突に後ろから突き飛ばしてくる。無理やりオアシスの中で楽しく騒ぐ町人の輪に引き込まれる。そう、現実ではこんなことはあり得ない。少なくとも自分の人生にはなかった。

 

 無理やり夏祭りへと誘い出すヒロインや、文化祭のクラスの輪に引き込んでくるヒーローなんてフィクションだ。

 

 でもこんな感情移入した後じゃ疑似体験したようなものだ。そしてふと現実に戻される。

 

 

爽やかな倦怠感と、ちょっとだけ生きる力を貰いまし