かるちゃあ・よもやま日記

音楽・漫画・アニメ・映画・ART・ゲーム・その他についてつれづれ~に語ります。現在20代前半。

小沢健二「犬は吠えるがキャラバンは進む」

 オザケンの記念すべき1stアルバム。

またまた世代の違う僕が、なぜ小沢健二と出会ってしまったのかというと、

それは高校生の時、沢田研二(ジュリー)と勘違いしたのが始まりでした…(笑)

 

 Mr.Childrenの桜井さんと小林武史さん率いるBank Bandで「僕らが旅に出る理由」をカバーしていたのです。(確か2012年だったかな)そこのMCで桜井さんが、フリッパーズギターというバンドが、当時の自分たちにとってとても衝撃的だった…という話をしていました。

 何を勘違いしたのか僕は、あの沢田研二が90年代にも新しくバンドを組み、当時の新しい世代のバンドにも衝撃を与えていたなんて…!と思ったのでした。(アホですね)

 

 とっても気になった自分は早速おこづかいでアルバムを買おうと思い、この1stアルバムを買う事にしました。何やらライナーノーツの文章が凄いとのことでしたので、

ちゃんと再販盤ではない、ライナーノーツ付きのものを買いました!

 

 そして一曲目の「昨日と今日」…ふむ、意外と渋い曲だな(後に2016年の魔法的ライブの一曲目で衝撃を受ける。めちゃくちゃかっこよかった…)

 

 二曲目の「天気読み」…ああああ、なんて歌詞が素敵なんだ。「雨のよく降るこの星では 神様を待つこの場所では」…て凄くないですか。地球て、雨がよく降る惑星だと歌ってるんですよ。そうか、雨降るんだよなってハッとさせられました。(勿論あまり降らない地域もありますが)どの惑星と比較しているんでしょうか。どんだけ達観した視点で見てるんだよ…。いや、もう二曲目にして当時の僕はオザケンに惚れてしまったのでした。

 

 三曲目の「暗闇から手を伸ばせ」…一曲目でも感じたのですが、すごく哀愁を感じるのです。この曲なんてポップなアレンジのはずなのに。エブリデイ、エブリデイと軽快なフレーズがよりその哀愁とのギャップを生み出すのです。

 

 四曲目の「地上の夜」…オザケンは川、海などの情景描写と、そこから滲み出る人生観を表現するのがとってもとっても上手だと思うんです。この曲でも「入り江を曲がる急カーブへ 海を割る月の光」と、後の「さよならなんて云えないよ」を感じさせるフレーズが描かれています。

 

 五曲目の「向日葵はゆれるまま」…この曲は個人的に弾き語りをしていてとっても気持ちがいいです。最初に歌われる「個」と次に出てくる「海」「太陽」といったダイナミックなワード。なんて無常な世界観…。

 

 六曲目の「カウボーイ疾走」…ここにきて「カウボーイ」というワードが出てきて、アルバム全体を覆うブルージーな雰囲気の正体が少し掴めたような気がしました。

「カウボーイ」というと、荒野とかをイメージしがちですが歌われているのは、当時の日本の風景な感じがしますね。

 

 そして来ました、七曲目の「天使たちのシーン」…まず演奏時間です。「13分!、プログレかよ」と当時思いました(笑)。でも、この曲の世界観が13分も続いてくれるなんて本当に至福の時間です。この曲に触発されて、取りあえずスティーリー・ダンの「エイジャ」と「ガウチョ」を買いました。多分同じような事をした人、結構いると思います。

 

 そして最後の「ローラースケート・パーク」

「誰かが髪を切っていつか別れを知って 太陽の光が降りそそぐ」

「誰かがあくびをしていつか眠る時も 満月はずっとずっと照らしてる」

 ここで歌われているのは誰かの日常です。「向日葵はゆれるまま」で歌われているものと、非常に近いものを個人的には感じます。<人→巨大な自然の力>という構図も同じです。明るさと切なさの二面性を兼ね備えた(オザケンの曲はどれもそうかな…)この曲をラストに、次作の「LIFE」へと続くのでした。

 

 ぜひライナーノーツを読みながら聴いて欲しいです。

 

犬は吠えるがキャラバンは進む

犬は吠えるがキャラバンは進む